日車協連活動報告1月
事務局研修会(日車協連)*抜粋UpDate:2017/01/10
テーマ
1.車体整備の高度化活性化に向けた対応
2.自動車車体整備業の現状
3.自動車整備行政の動向
4.車体整備記録簿の研究
5.スーパーハイテン対応スポット溶接の現状
6.その他(割愛)
・労働安全衛生
・リサイクル部品と環境
・外国人実習制度の概要
◆開催
*16年10月20日・21日
*東武ホテルレバント東京 会議室(墨田区)
*出席者
会長  小倉龍一
副会長 山元康史
副会長 平塚睦子
総務財務委員会
委員長 津田信行
委員  馬場 茂
委員  秋山勝勇
事務局 新井賢太郎
全国事務局が出席
◆目的
組合員企業が「優良な車体整備工場の見える化」を推進するにあたり、組合事務局として自動車車体整備業界の置かれている現状を取り巻く環境・課題を理解し、組合員企業に対して今後行う自動車車体整備士再教育講習会を開催するために必要な知識を修得していただくため。
事務局勉強会風景
★勉強会資料の1部は「車体整備大阪」平成27年9月・418号に掲載分と同内容であり抜粋してお知らせ。
1.車体整備の高度化・活性化に向けた対応
近年、ABS、被害軽減ブレーキや横滑り防止装置等の予防安全装置の採用や、EV、HEVやアイドリングストップ等の環境・省エネのための装備など、自動車への新技術の採用が目覚ましい。
いずれも電子的に制御され、単独又は相互の関連性をもって制御されており、車体補修に伴う装置の取り付け、取り外しに当たって、スキャンツールを使用することが必要となっている。
また、衝突安全性能を確保しつつ省エネルギーを実現するため、超高張力鋼板等の材料が主要骨格に採用され、車体補修の際には対応できるスポット溶接機や材料の特性に配慮した接合方法が必要となるなど、車体整備を取り巻く環境は、著しい変化を遂げている。
このような新技術・材料に対応した適切な車体整備を実施するための方策について検討することとした。
⑴スキャンツールの必要性
故障等の情報はメモリに記録されるので、故障により部品交換等を実施した際には、スキャンツール(外部診断機)を車両に接続して、これらの故障コード等を削除するなどの付随作業の必要があるばかりか、部品交換後の初期設定等が必要な場合もある。
写真はスキャンツールの一機種(ネットから)
⑵超高張力鋼板への対応
超高張力鋼板部品のスポット溶接で十分な溶接強度を確保するためには、一般的な軟鋼の場合と比べ、大電流・高加圧力といった性能が要求されるため、「適切な性能のスポット溶接機」が必要となる。
また、作業に当たっては、電流値、加圧力値、通電時間といった「溶接条件」等の技術情報を入手して作業を実施する必要がある。
写真はスポット溶接機の一機種(ネットから)
「スポット溶接の条件」等の技術情報の入手については、溶接協が構築しているデータベースを活用するなど、協力体制を踏まえた合理的な情報入手方法を確立する必要がある。

■優良な車体整備工場の見える化への取り組み
★全国ユース第160号に掲載分を抜粋してお知らせ。

◆自主認定制度と高度化車体整備技能講習制度の構築
日車協連は、同勉強会から提言された優良な車体整備工場の見える化と会員の事業活性化の実現に向け、自主認定制度及び自動車車体整備士資格取得者を対象とした再教育体制の構築に向けて活動を進めている。
▼経営委員会
自主認定制度の構築について
組合員で先進安全自動車の安全・安心な修理に取り組んでいる事業所を事業者認定する。
先進安全自動車の車体整備に要求される、アルミ素材やパネルボンディングの応用、安全制御装置の再設定など、高度化に伴う技術と知識が要求され、修理後の安全も担保しなければならないと考えられる。
◆先進安全自動車対応 優良車体整備事業者・高度な技術、安心な事業所
⑴見える化事業の名称
⑵事業者資格
*特認1種・2種を事業者対象とする。推奨工場及び一般会員事業者は、相互扶助の考え方で認定事業者と連携を行う。
⑶技術設備等
*進化する衝突安全ボディーの内板・骨格部に及ぶ作業には、スポット溶接機・プラグ溶接機などの素材に対応できる溶接設備を備えること。スキャンツールの活用は必須であり日整連主催の「コンピュータ・システム診断認定店」の取得事業者であること。
⑷車体整備士有資格者の再教育について
*ユーザーに対し修理内容の説明と保証書の提示は遵守事項で、修理記録簿の活用が重要となり、記載は再教育を受けた車体整備士の業務とする。
⑸見える化事業所の看板
*認定事業者は、地方運輸局名及び日車協連名の入った看板を掲げる。
⑹義務化
*認定事業者は、毎年開催予定の車体整備士再教育に努め車体整備研修への参加を義務づける。
⑺事業実施
*できる地区・できる所から取り掛かる。
など、実現に向けた取り組みを検討している。

2.車体整備業の現状
講師 プロトリオス 弓場信幸氏

〈自動車整備白書から〉
◆先ず、数字を見てみよう
☆鈑金塗装の総市場
*市場総額推計     9707億円
*総修理台数       699万台
*平均修理費    13万8869円
*自動車保険支払い   7568億円
             397万台
*自動車共済支払い    842億円
              35万台
*一般支払い       937億円
             130万台
*中古車補修       206億円

☆自動車使用の長期化傾向
平均使用年数は、乗用車と貨物車は12年を超え、乗合車は17年を超えている。
乗用車 12・4年
貨物車 13・7年
乗合車 17・0年
*平均使用年数とは人間の平均寿命に相当。
・新車を登録して廃車になるまでの平均年数
(軽自動車を除く)
平均車齢は、過去10年間で大きく伸び、30年前の約2倍。
乗用車 8・3年
貨物車 11・1年
則愛車 11・8年
*平均車齢とは、人間の平均年齢に相当
・走っている車の使用した年数の平均
★平均使用年数が長期化傾向にある現在、ますます点検整備は必要となる。
事務局勉強会にて
◆今、整備業界が直面する内憂外患(抜粋)
来年4月からスタートすると言われている継続検査のワンストップサービス(OSS)への対応、これが目下最大の内憂。
そして、「2020年に開催されるオリンピック・パラリンピック東京大会での無人自動走行による移動サービスや高速道路での自動運転ができるよう、2017年までに必要な実証を可能にすることを含め、制度やインフラを整備する」と昨年11月5日の2回目の未来投資に向けた官民対話の席上、総理指示が下された。つまり、自動走行や自動運転に国がGoサインを出したことに他ならない。これが整備業界にとって外患であることは言を俟たないであろう。それでなくともIT化の波が自動車を機械から電子装置へと変貌させてしまっている。
車両法の下で65年の間、営々と事業を維持してきた業界に今後、どのような試練を与えることになるのであろうかー。

3.自動車整備行政の動向
◆自動車整備業の現状と課題について
講師
国土交通省自動車局
整備課・課長補佐
久手俊彦氏

①自動車整備業界の現状
②自動車整備に関わる行政の取組み
*自動車整備に関する課題と対応
③点検整備の現状
④自動車使用の実態
⑤自動車点検整備推進運動
⑥点検整備の確実な実施に向けた対応
⑦最近の具体の課題
⑧大型車のホイール・ボルト折損による車輪脱落事故への対応
⑨車体整備の高度化・活性化に向けた勉強会について
(前ページ)を参照
⑩勉強会の今後のスケジュール(予定)
日車協連自主認定制度
H28年10月 制度設計
H29年1月~制度承認
H29年4月→認定開始

ア)車体整備士の養成
*教科書の改訂
*指導教官の育成
*再教育の実施
・電子部品への対応
・超高張力鋼鈑への対応
イ)超高張力鋼板の溶接条件等の情報開示
ウ)優良な車体整備事業の見える化
*ユーザーや関係者等へのアピール
*車体整備記録簿等の活用
⑪自動車整備技術の高度化検討会 概要
⑫自動車整備技術の高度化検討会報告書 概要
*スキャンツール
保有率 78%
⑬自動車の新技術に対する整備の拡充の経緯
⑭人材確保・育成の取り組み
⑮自動車整備における人材確保に向けた取り組み事例
⑯平成28年度 運輸支局長等による高等学校訪問結果
⑰外国人技能実習制度へ自動車整備職種が追加
⑱技能実習2号移行対象車種
⑲自動車の適切な保守管理の促進
・無車検車・無保険車対策の強化
⑳交通事故の実態
㉑第10次交通安全基本計画
H28年度~H32年度
㉒道路交通の安全に関する新たな視点
㉓交通事故削減のために
㉔今後の自動車整備業の進むべき方向性

4.車体整備記録簿の研究
★前ページに記載の⑷車体整備士有資格者の再教育の下りについて
*ユーザーに対し修理内容の説明と保証書の提示は遵守事項で、修理記録簿の活用が重要となり、記載は再教育を受けた車体整備士の業務とする。とあり、修理記録簿の活用方法については期待したいものである。

5.スーパーハイテンスポット溶接の現状
①車体整備への影響
高度な電子化と車体の超高張力鋼鈑化により車体整備が高難度化
②車体の高張力鋼鈑化を受け、自動車メーカーはJARWAの協力のもと、補修スポット溶接条件の標準化に着手
③トヨタ自動車や富士重工は、JARWAの会員制WEBシステムを通じた補修溶接情報の開示を開始。29年にも日産自動車やマツダも追随の予定。
④USSは正しく修復された車両が高く売れる仕組み「USS・BP登録店制度」の構築に着手。WEBシステムへの入会が登録の条件。
⑤自動車メーカー各社がJARWAにデータを集積する理由。
*自動車メーカーが単独で溶接機ごとの最適データを作成することは事実上不可能で、情報インフラの整備、運営を日本においてはJARWAが担当する。
大車協
名 称
大阪府自動車車体整備協同組合
理事長(代表理事)
本村 亨
電 話
06-6612-6877
FAX
06-6612-4505
所在地
大阪市住之江区南港東3-5-6
大阪府自動車整備振興会6階
ロゴ

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